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溶接ヒューム測定とは?金属アーク溶接の対応を整理

著者・監修: 依田尚人YDAIコンサルティング株式会社 代表

溶接ヒューム測定とは?金属アーク溶接の対応を整理

屋内で金属アーク溶接等作業を継続して行う作業場では、作業方法の採用または変更前に溶接ヒューム濃度を測定する場面があります。対象となる作業場、作業方法の変更、測定後の措置、記録を順に確認すると、何をいつ整理すべきかを把握できます。

溶接ヒューム濃度測定は、金属アーク溶接等作業を継続して行う屋内作業場について定められた手順です。2026年10月1日以降の作業環境測定上の位置づけと、従来からの測定・措置の流れを混ぜずに確認します。

溶接ヒューム測定の対象場面

屋内の金属アーク溶接作業場で溶接トーチと試料採取ポンプを使い対象場面を確認する図
屋内の金属アーク溶接作業場で溶接トーチと試料採取ポンプを使い対象場面を確認する図

特定化学物質障害予防規則第38条の21は、金属アーク溶接等作業を継続して行う屋内作業場を対象にしています。屋内で行う全ての作業を同じように扱うのではなく、継続して行う金属アーク溶接等作業か、作業方法の採用または変更があるかを確認します(特定化学物質障害予防規則第38条の21/確認日: 2026-09-05)。

測定の目的は、作業方法を採用または変更する前に、溶接ヒューム濃度を把握して結果に応じた措置につなげることです。工程の開始日だけでなく、使用する作業方法、屋内作業場の範囲、変更の内容を整理しておくと、測定が必要となる場面を確認しやすくなります。

対象の確認では、溶接という作業名だけで結論を出しません。屋内作業場で継続して行う金属アーク溶接等作業か、新たな作業方法を採用または変更しようとしているかを、工程の記録と照らして確認します。

段階確認すること記録・根拠
作業方法の変更前採用・変更する内容と測定の時点特化則第38条の21第2項
測定時身体に装着する試料採取機器での測定特化則第38条の21第2項
結果後結果に応じた措置と効果確認の測定特化則第38条の21第3項・第4項
記録作業方法を用いなくなった後の保存特化則第38条の21第10項

金属アーク溶接等作業と屋内作業場

金属アーク溶接等作業を継続して行う屋内作業場では、特化則第38条の21の測定・措置の規定を確認します。作業場の場所、作業の継続性、溶接トーチの使用状況、排気設備の状態を整理して、対象となる場面かを所管窓口等へ確認します(特定化学物質障害予防規則第38条の21/確認日: 2026-09-05)。

対象となるかの個別判断は、作業方法や作業場の実態で異なります。この記事では一般的な確認項目を示し、個別の作業場について結論を出すものではありません。

作業場の配置や排気設備を変える場合も、変更の内容と予定日を整理します。採用前に確認する測定のため、現場で変更が始まった後に対象を見直すのではなく、工程計画の時点から確認することが必要です。

作業方法の採用・変更前に確認すること

新しい溶接トーチと局所排気装置のフードを確認し採用前に試料採取を準備する図
新しい溶接トーチと局所排気装置のフードを確認し採用前に試料採取を準備する図

新たな作業方法を採用または変更しようとするときは、あらかじめ、労働者の身体に装着する試料採取機器を用いて溶接ヒューム濃度を測定します。変更後に記録だけを見直すのではなく、採用・変更の前に測定する時点を工程計画に組み込みます(特定化学物質障害予防規則第38条の21第2項/確認日: 2026-09-05)。

事前に整理する情報は、採用する作業方法、変更する内容、作業者の配置、作業時間、局所排気装置や保護具の状況です。測定を依頼する場合は、これらの事実と既存記録をまとめ、どの作業方法の測定かを明確に伝えます。

試料採取の対象となる作業者や作業の時間帯についても、実際の作業が分かる情報を用意します。測定結果を後で読み返す際に、採用または変更した作業方法と結び付けられるよう、依頼時の情報を記録に残します。

測定後の対応を確認する

作業環境測定結果報告書から結果に応じた措置と効果確認の測定へ進むフロー図
作業環境測定結果報告書から結果に応じた措置と効果確認の測定へ進むフロー図

測定後は、結果に応じた措置を講じ、効果を確認するための測定を行います。測定、措置、効果確認を別々の出来事として扱わず、同じ作業方法に関する一連の対応として記録します(特定化学物質障害予防規則第38条の21第3項・第4項/確認日: 2026-09-05)。

結果に応じた措置

結果に応じた措置では、測定時の作業方法と、実際に講じた対応を対応させます。局所排気装置の状態、作業方法、保護具の使用状況など、変更した事実を記録しておくと、効果確認の測定で何を比べるかを整理できます。

第三管理区分で改善が難しい場合の措置とは、適用の契機と流れが異なります。第三管理区分の結果後に進める対応は、第三管理区分の措置で、溶接ヒューム測定の対象場面とは分けて確認できます。

結果を確認する担当者は、測定時の条件と、措置を行った後の作業方法を比べます。測定前の条件が分からないまま措置の内容を判断しないよう、作業方法、排気設備、保護具の使用状況を同じ記録で確認します。

効果確認の測定と記録

防じんマスクを装着した溶接作業者と作業環境測定結果報告書を描き効果確認と記録を示す図
防じんマスクを装着した溶接作業者と作業環境測定結果報告書を描き効果確認と記録を示す図

特化則第38条の21では、結果に応じた措置に続いて、効果を確認するための測定を行う規定があります。これは、作業環境の改善措置の効果を確認するための測定であり、労働者のばく露の程度が濃度基準値以下であることを確認する測定とは目的が異なります(労働安全衛生規則第42条の6、特化則第38条の21第3項・第4項/確認日: 2026-09-05)。

化学物質による健康障害防止のための濃度の基準の適用等に関する技術上の指針は、後者を「確認測定」と定義しています。その用語を改善措置の効果確認に用いず、根拠と目的を分けて記録します(同指針1-2(2)/確認日: 2026-09-06)。

記録は、当該作業方法を用いなくなった日から3年間保存します。採用・変更前の測定、結果に応じた措置、効果確認の測定を同じ作業方法にひも付けて残すと、保存対象を確認しやすくなります(特定化学物質障害予防規則第38条の21第10項/確認日: 2026-09-05)。

法定の措置については、臨検監督等で違反が確認された場合に是正勧告・指導が行われ、改善されない場合などに司法処分へ進むという段階があります。直ちに処分が決まるという説明にはせず、法令上の扱いと実際の行政手続きを分けて確認します(労働安全衛生法第119条・第120条/確認日: 2026-09-05)。

発注前に整理する情報

溶接トーチ、有機溶剤の一斗缶、局所排気装置、記録の紙面を並べて依頼前の確認項目を示す図
溶接トーチ、有機溶剤の一斗缶、局所排気装置、記録の紙面を並べて依頼前の確認項目を示す図

発注前には、屋内作業場の場所、金属アーク溶接等作業の内容、採用または変更する作業方法、既存の測定記録を整理します。測定の目的と対象場面を先に共有し、実施者に何を確認したいかを具体化します。

2026年7月29日公布の令和8年厚生労働省令第116号により、金属アーク溶接等作業の溶接ヒューム濃度測定は、対象となる場面で作業環境測定として位置づけられます。本記事で扱う位置づけは2026年10月1日施行の規定であり、作業場ごとの対象場面は労働安全衛生法第65条の3と労働安全衛生規則第42条の5に沿って確認します(令和8年厚生労働省令第116号基発0730第2号/確認日: 2026-09-05)。

令和8年厚生労働省令第116号には2026年8月1日または9月1日に施行される一部の規定もあります。個人ばく露測定の制度上の位置づけや、個人サンプリング法との違いは、個人ばく露測定の基礎記事で確認できます。

工程・作業方法・既存記録の確認

工程ごとに、どの作業方法をいつ採用または変更するか、作業者がどこで作業するか、局所排気装置や保護具に変更があるかを並べます。作業方法の変更前に測定する規定に照らし、計画と既存記録を確認します(特化則第38条の21第2項/確認日: 2026-09-05)。

依頼内容には、使用する作業方法、屋内作業場、変更予定、既存記録をまとめます。測定の対象、実施する時点、保存する記録を一組として確認すれば、工程変更の前に必要な準備を整理できます。変更前に確認日も残します。

よくある質問

すべての溶接作業が対象ですか

特化則第38条の21は、金属アーク溶接等作業を継続して行う屋内作業場を対象としています。個別の該当判断は所管窓口等に確認してください(特定化学物質障害予防規則第38条の21/確認日: 2026-09-05)。

屋内作業場で継続して行う金属アーク溶接等作業かを、作業方法とともに確認します。対象場面に当たるかは、工程の実態を踏まえて確認してください。

作業場の場所や作業方法が同じでも、継続して行う作業か、変更予定があるかを記録で確かめます。工程ごとの実態を整理してから、所管窓口等に確認してください。

作業方法を変えない場合も確認が必要ですか

新たな作業方法を採用または変更しようとするときは、あらかじめ測定する規定があります。現在の作業方法、変更の予定、既存記録を確認して対象場面を整理します(特定化学物質障害予防規則第38条の21第2項/確認日: 2026-09-05)。変更が生じる前に工程を見直します。

作業方法を変えない場合にどの確認が必要かは、作業場の実態と既存の記録を踏まえて確認します。変更予定が生じたときに測定の時点を取り逃さないよう、工程計画と記録を見直します。

個人ばく露測定とどう関係しますか

金属アーク溶接等作業の溶接ヒューム濃度測定は、対象となる場面で作業環境測定として位置づけられます。2026年10月1日施行の労働安全衛生法第65条の3と労働安全衛生規則第42条の5に沿って、測定の目的と実施者要件を確認します(労働安全衛生規則第42条の5/確認日: 2026-09-05)。

個人ばく露測定と個人サンプリング法は目的が異なるため、身体に装着する機器を使うことだけで同じ測定と扱いません。測定の根拠、対象場面、結果の使い方を分けて確認します(作業環境測定法第2条第3号、作業環境測定法施行規則第3条第1項第1号イ/2026-10-01施行時点版/確認日: 2026-09-05)。

まとめ

溶接ヒューム測定では、屋内で継続して行う金属アーク溶接等作業について、作業方法の採用または変更前に測定し、結果に応じた措置と効果確認の測定を進めます。記録は当該作業方法を用いなくなった日から3年間保存します(特定化学物質障害予防規則第38条の21第2項・第10項/確認日: 2026-09-05)。

個別の作業場の該当判断や具体的な措置は、所管窓口等へ確認してください。測定の目的と保存する情報を分けて整理します。

作業方法の採用・変更前、測定時、結果後、記録の順に確認を進めると、測定の目的と保存する情報を結び付けられます。2026年10月1日以降の位置づけも、既存の規定と分けて確認します。

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出典

著者・監修

依田尚人YDAIコンサルティング株式会社 代表

依田尚人は YDAIコンサルティング株式会社 代表。作業環境測定・特殊健診の義務の対象と方式別の費用実勢について、e-Gov・厚生労働省・都道府県労働局の登録簿等の公開情報を一次ソースまで確認する工程を標準として、本サイトの記事を設計・監修しています。

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