指定作業場とは?作業環境測定士・機関が必要な条件
著者・監修: 依田尚人(YDAIコンサルティング株式会社 代表)
指定作業場とは?作業環境測定士・機関が必要な条件
指定作業場では、作業環境測定を行うときに作業環境測定士に実施させるか、作業環境測定機関に委託する必要があります。対象となる作業場かどうか、測定義務があることと測定士による実施が必要なことを分けて確かめると、準備する情報が明確になります。個人ばく露測定を含む2026年10月の制度変更も、対象となる場面を限定して読むことが大切です。
指定作業場とは

指定作業場は、作業環境測定法施行令第1条で定められた、実施者の要件が伴う作業場です。作業環境測定法第3条は、指定作業場で作業環境測定を行う場合に、事業者が使用する作業環境測定士に実施させること、自社で実施できない場合に作業環境測定機関へ委託することを定めています。作業環境測定法第2条・第3条、作業環境測定法施行令第1条を確認日2026-09-05時点で確認しています。
| 確認する区分 | 主な確認先 | 実施時に確認すること |
|---|---|---|
| 指定作業場 | 作業環境測定法施行令第1条 | 測定士による実施または測定機関への委託 |
| 作業環境測定が必要な作業場 | 労働安全衛生法第65条、同施行令第21条 | 対象業務・場所・各特別則の細目 |
| 2026年10月に追加される範囲 | 労働安全衛生法第65条の3、作業環境測定法施行令第1条第2項 | 政令で定める対象場面かどうか |
指定作業場の法的な位置づけ

指定作業場には、労働安全衛生法施行令第21条のうち、粉じん、特定化学物質・石綿等、鉛、有機溶剤の作業場と、放射線業務の一部が含まれます。作業環境測定法施行令第1条第1項がこの範囲を定めており、個々の業務が該当するかは各特別則の細目も合わせて確認します。粉じんが発生する、または溶剤を保管しているという事情だけで、直ちに該当を決める読み方はできません。
作業環境測定法の2026年10月1日施行の改正は、労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律(令和7年法律第33号、2025-05-14公布)と、令和8年政令第196号、令和8年厚生労働省令第116号に基づくものです。作業環境測定法第2条・第3条と同施行令第1条は、この改正により個人ばく露測定に関わる指定作業場の範囲を追加します。制度の確認日はいずれも2026-09-05です。
対象作業場との違い
労働安全衛生法第65条と同施行令第21条には、作業環境測定が必要となり得る作業場が定められています。暑熱・寒冷・多湿の屋内作業場、著しい騒音を発する屋内作業場、中央管理方式の空気調和設備を設けた事務室などは、測定義務の対象になることがあっても、指定作業場とは別に扱われます。
したがって、測定の必要性と、測定士による実施または測定機関への委託が必要かは二段階で確認します。労働安全衛生法第65条は現行で、2026年10月1日施行の改正では同条そのものではなく第65条の3が新設されます。労働安全衛生法第65条、同施行令第21条、作業環境測定法施行令第1条の確認日は2026-09-05です。
確認の順序は、作業場の名称を一覧に当てはめるだけでは終わりません。まず屋内外、常時行われる作業か、扱う物質、発散源や換気設備の状態を整理し、次に関係する特別則の細目を確認します。そのうえで、測定そのものの実施、測定結果の記録、指定作業場での実施者という三つの論点を分けます。個別の作業場が該当するかの判断は、ここでの一般的な説明だけで完結させず、所管窓口または専門家へ確認してください。
実施方法を確認する

指定作業場では、測定を誰が実施するかも制度上の確認項目です。社内で作業環境測定士に実施させる場合と、作業環境測定機関に委託する場合では、準備する資料は重なりますが、登録内容や対応範囲を確認する相手が異なります。作業場の種類、対象工程、扱う物質、測定の目的を先に整理しておくと、対象外の方式を混ぜずに確認できます。
自社の作業環境測定士による実施

自社で実施する場合、作業環境測定法第3条第1項に従い、その使用する作業環境測定士に実施させます。第一種作業環境測定士は分析を含む業務を行える一方、第二種作業環境測定士は省令で定める機器を用いる分析業務を除く業務を行う区分です。2026年10月1日施行時点の作業環境測定法第2条第5号から第7号の定義と、対象となる作業場の種類を照合します。
2026年10月1日以降、個人ばく露測定に係るデザイン及びサンプリングには、登録を受けた作業環境測定士等という要件が設けられます。ただし、すべての事業場に新たな測定義務が生じるわけではありません。改善が困難な第三管理区分の作業場、金属アーク溶接等作業を継続して行う屋内作業場、リスクアセスメントに当たって個人ばく露測定を行う場面など、限られた場面を労働安全衛生法第65条の3、同規則第42条の5・第42条の6、基発0730第2号で確認します。改正日2026-07-29、確認日2026-09-05です。
作業環境測定機関への委託
自社で実施できない場合は、作業環境測定法第3条第2項により作業環境測定機関へ委託します。この場合も、測定対象を伝える前に、指定作業場か、どの工程・場所・物質を対象にするか、場の濃度を評価する測定かを整理します。作業環境測定機関は、他人の求めに応じて作業環境測定を業とするために登録を受けた機関として、同法第2条第8号(2026年10月1日施行時点版)に定義されています。
委託先の個別の対応可否は、登録の有無だけで決まりません。対象工程に対応する測定・分析の範囲、測定日、必要な記録や報告書の条件を、依頼前に確認します。作業環境測定法第3条の改正日2025-05-14、確認日2026-09-05を基準に、実施時点の登録内容と公開情報を見直す方法が安全です。
委託のために整理する情報には、作業工程の名称だけでなく、作業が行われる場所、扱う物質、通常の作業方法、既存の測定記録、レイアウトの変更予定があります。局所排気装置のフードやダクトの位置、測定時に稼働する設備も、測定条件を共有するための情報です。提出する資料に健康情報を含める必要はなく、法人として管理する作業場や工程の情報に限ります。内容が変わったときは、過去の記録だけを使わず、変更後の条件で改めて確認します。
依頼前に見る公開情報

依頼前には、公開されている登録情報と、依頼したい対象の範囲を別々に確認します。ここでは、登録作業環境測定機関の意味や名簿を確認するときに見る項目を整理します。
登録内容・対応範囲・確認日の見方
確認する項目は、登録の表示、対象となる作業場や分析の対応範囲、情報の確認日、依頼条件です。登録情報を見た日と、資料を確認した日を分けて記録すると、古い一覧だけで現在の対応可否を判断することを避けられます。測定内容が変わる場合は、既存の測定記録、レイアウト、局所排気装置の有無などを整理してから、対応範囲を確認します。
社内で確認事項を整理するときは、担当者名、確認した資料、確認日、次に確認する相手を一緒に記録すると、引継ぎ時にも条件をたどれます。作業場の名称だけで依頼内容を短くしすぎず、通常の作業状態と変更予定を区別して伝えます。測定結果報告書に残したい条件と、見積書で確認したい条件を対応させると、必要な成果物の範囲も確認しやすくなります。公開情報の表示が更新された場合は、過去の確認日を消さず、新しい確認として追加します。
確認の記録は、作業場の実態を示す資料と一緒に管理します。更新の理由が分かるようにすると、次の測定準備で前回との違いを確認できます。
罰則の説明も、測定の必要性と実施者の要件を分けて読みます。指定作業場で作業環境測定士に実施させないことは作業環境測定法第54条第1号の対象ですが、実際には労働基準監督官の臨検監督などで違反が確認された場合に指導や是正勧告が行われ、改善されない場合等に司法処分へ進む段階があります。同法第54条・第56条、労働安全衛生法第119条・第122条の確認日は2026-09-05です。
よくある質問
指定作業場はどの作業場ですか
粉じん、特定化学物質・石綿等、鉛、有機溶剤の作業場と、放射線業務の一部が指定作業場です。対象となる細目は法令ごとに異なるため、作業環境測定法施行令第1条と各特別則を併せて確認します(作業環境測定法施行令第1条/確認日: 2026-09-05)。
測定会社ならどこでも委託できますか
指定作業場について自社で実施できないときは、作業環境測定機関へ委託する規定があります。対象工程に対応する登録・対応範囲、測定日、必要な記録を確認してから依頼します(作業環境測定法第3条・第2条第8号/2026-10-01施行時点版/確認日: 2026-09-05)。
2026年10月に何が追加されますか
2026年10月1日から、労働安全衛生法第65条の3により作業環境測定を行う作業場のうち、政令で定めるものが指定作業場に追加されます。対象は限られた場面であり、すべての事業場に同じ測定が求められる制度ではありません(作業環境測定法施行令第1条第2項、令和8年厚生労働省令第116号/改正日: 2026-07-29/確認日: 2026-09-05)。
まとめ
指定作業場かどうかは、測定の対象になるか、測定士による実施または測定機関への委託が必要かを切り分ける出発点です。まずは作業場、工程、物質、測定の目的を整理し、作業環境測定法施行令第1条と関係する特別則を確認します。作業条件や設備が変わる場合は、前回の記録だけに頼らず、変更後の内容で確認し直します。作業環境測定の対象全体は作業環境測定の義務、方式の違いは個人サンプリング法も参照してください。
出典
- 作業環境測定法(laws.e-gov.go.jp)
- 作業環境測定法施行令(laws.e-gov.go.jp)
- 労働安全衛生法(laws.e-gov.go.jp)
- 労働安全衛生法施行令(laws.e-gov.go.jp)
著者・監修
依田尚人YDAIコンサルティング株式会社 代表
依田尚人は YDAIコンサルティング株式会社 代表。作業環境測定・特殊健診の義務の対象と方式別の費用実勢について、e-Gov・厚生労働省・都道府県労働局の登録簿等の公開情報を一次ソースまで確認する工程を標準として、本サイトの記事を設計・監修しています。
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