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作業環境測定の管理区分とは?結果の読み方と対応

著者・監修: 依田尚人YDAIコンサルティング株式会社 代表

作業環境測定の管理区分とは?結果の読み方と対応

作業環境測定の管理区分は、測定結果を作業環境評価基準に従って評価した結果であり、区分ごとに確認すべき措置が異なります。結果を受け取ったら、対象作業場と評価記録を合わせて確認します。

管理区分は、作業場や労働者を一律に評価する順位ではありません。測定対象、評価記録、改善の状況を確認し、第一・第二・第三の区分ごとに次の行動を整理するための結果です。

管理区分の基本

管理区分は、作業環境測定を行った後に、作業環境評価基準に従って評価して区分します。有機溶剤、特定化学物質、粉じん、鉛では、測定と評価の規定がそれぞれ置かれているため、測定結果だけを受け取って評価記録を確認しないままにしません。

評価と管理区分の関係

試料採取ポンプ、作業環境測定結果報告書、三つの管理区分を表す色分けカードを使い、測定から評価へ進む図
試料採取ポンプ、作業環境測定結果報告書、三つの管理区分を表す色分けカードを使い、測定から評価へ進む図

有機溶剤の作業場では、測定の都度、速やかに作業環境評価基準に従って第一管理区分から第三管理区分に区分して評価します。特定化学物質、粉じん、鉛でも、各規則の評価規定に基づいて管理区分を確認します(有機溶剤中毒予防規則(昭和47年労働省令第36号) 第28条の2、特定化学物質障害予防規則(昭和47年労働省令第39号) 第36条の2、粉じん障害防止規則(昭和54年労働省令第18号) 第26条の2、鉛中毒予防規則(昭和47年労働省令第37号) 第52条の2/現行(最終改正: 2026-07-29)/確認日: 2026-09-05)。

区分の根拠となる個別物質の管理濃度値は、この記事では扱いません。個別値を確認したい場合は、対象物質、測定時点、評価基準の版をそろえ、一次資料と所管窓口で確認してください。

記録として確認するもの

測定日時、方法、場所、結果、評価、講じた措置を作業環境測定結果報告書に整理し、捕集管と鍵付き記録箱を描いた図
測定日時、方法、場所、結果、評価、講じた措置を作業環境測定結果報告書に整理し、捕集管と鍵付き記録箱を描いた図

有機溶剤では、測定の日時、方法、箇所、条件、結果、実施者の氏名、講じた措置の概要を記録し、評価の記録も保存します。評価の結果がどの区分だったかだけでなく、どの測定に基づく評価なのかを追える状態にしておくと、改善後の確認や次回測定の準備につながります(有機溶剤中毒予防規則(昭和47年労働省令第36号) 第28条第3項・第28条の2/確認日: 2026-09-05)。

管理区分を社内へ共有するときは、結果の数値だけでなく、対象工程、作業場所、物質、測定日、評価日、次の確認担当を一組で示します。作業場の名称や工程が変わった場合にも前回記録を照合できるよう、報告書と社内の台帳で表記をそろえることが実務上の確認点になります。

結果報告書を受け取った日と、評価が完了した日が異なる場合は、その二つの日付も分けて残します。測定後に設備や作業方法を変えたときは、どの結果に基づいてどの措置を検討したのかを説明できる状態にします。担当者が結果を口頭で共有するだけでは、次回測定の際に前回の条件を再現できないためです。

区分ごとに確認すること

管理区分ごとの対応は、結果を受領した直後から始まります。第一・第二・第三という名称だけを見て同じ改善手順にせず、対象となる規則の条文、評価記録、既に講じた措置を分けて確認します。

第一・第二管理区分の確認事項

第一・第二管理区分の結果を前に、局所排気装置、防毒マスク、作業環境測定結果報告書を確認する担当者の図
第一・第二管理区分の結果を前に、局所排気装置、防毒マスク、作業環境測定結果報告書を確認する担当者の図

第一管理区分または第二管理区分となった場合にも、測定記録と評価記録を保存し、次回の周期を管理します。有機溶剤中毒予防規則では、第二管理区分の場所について、施設または設備の設置・整備、作業方法の改善その他の必要な措置に努め、労働者へ周知する規定があります(有機溶剤中毒予防規則(昭和47年労働省令第36号) 第28条の4/現行(最終改正: 2026-07-29)/確認日: 2026-09-05)。

第二管理区分を、すぐに第三管理区分と同じ手続に進む結果として扱うのではなく、対象規則ごとの措置を確認します。測定対象の物質、局所排気装置などの設備、作業方法、保護具の使用状況を整理しておくと、次回測定時に前回からの変更を確認しやすくなります。

第三管理区分の確認事項

第三管理区分の結果から、局所排気装置の点検、作業環境管理専門家の意見、呼吸用保護具を順に確認する図
第三管理区分の結果から、局所排気装置の点検、作業環境管理専門家の意見、呼吸用保護具を順に確認する図

第三管理区分の場所では、直ちに作業場所の施設・設備、作業方法、その他作業環境を点検し、その結果に基づき必要な措置を講じます。有機溶剤では、改善措置を講じた後に効果を確認するための測定と評価を行うことが定められています(有機溶剤中毒予防規則(昭和47年労働省令第36号) 第28条の3/確認日: 2026-09-05)。

改善措置を講じてもなお第一または第二管理区分にならない場所などでは、遅滞なく事業場に属さない作業環境管理専門家の意見を聴きます。改善が可能と判断された場合は必要な措置と効果確認を行い、困難と判断された場合や再評価後も第三管理区分の場合は、濃度測定、呼吸用保護具、装着確認などの措置を確認します(有機溶剤中毒予防規則(昭和47年労働省令第36号) 第28条の3の2、特定化学物質障害予防規則(昭和47年労働省令第39号) 第36条の3の2、粉じん障害防止規則(昭和54年労働省令第18号) 第26条の3の2、鉛中毒予防規則(昭和47年労働省令第37号) 第52条の3の2/2022-05-31公布、2024-04-01施行/確認日: 2026-09-05)。

第三管理区分の場所に関する確認は、改善が可能かどうか、必要な措置は何か、実施後の評価をどう確認するかを時系列で分けます。専門家の意見を受ける前に、既存の測定結果、改善した設備や作業方法、再評価の有無を整理しておくと、意見を聴く事項を具体化できます。個別の改善方法や保護具の選定は、記事だけで決めず、所管窓口や専門家に確認してください。

結果を受け取った後の整理

結果の受領後は、改善、周知、次回確認を時系列で管理します。第三管理区分に関する措置と、2026年の個人ばく露測定に関する改正は同じ言葉にまとめず、対象と実施時期を分けて記録します。

改善・周知・次回確認の順序

結果受領、改善、周知、次回確認を、試料採取ポンプ、局所排気装置、作業環境測定結果報告書でつなぐ手順図
結果受領、改善、周知、次回確認を、試料採取ポンプ、局所排気装置、作業環境測定結果報告書でつなぐ手順図

結果を受け取ったら、最初に対象となる規則と評価記録を確認し、次に区分に応じた改善・周知・専門家への意見聴取の要否を整理します。第三管理区分で必要な措置を講じた場合は、届出や定期測定に関する規定もあるため、担当、提出物、次回の確認時期を記録します(有機溶剤中毒予防規則(昭和47年労働省令第36号) 第28条の3の2・第28条の3の3/確認日: 2026-09-05)。

2026-10-01には、第三管理区分で身体に装着する試料採取機器を用いて行う一部の測定などが、作業環境測定として位置づけられます。この改正は、測定の対象場面と実施者要件を確認するものであり、従来の第三管理区分の措置を改めて一律に始めるものではありません(労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律の一部の施行に伴う厚生労働省関係省令の整備等に関する省令(令和8年厚生労働省令第116号)労働安全衛生法(昭和47年法律第57号) 第65条の3/公布: 2026-07-29、施行: 2026-10-01、確認日: 2026-09-05)。

測定義務の対象を確認する場合は、作業環境測定の義務の記事を参照できます。次回の測定周期と保存年限は、作業環境測定の頻度の記事で確認し、第三管理区分の詳細な時系列は、第三管理区分の措置の記事で整理しています。

法定義務を、結果を受け取った瞬間に罰金となる仕組みとして扱うことは適切ではありません。労働基準監督官の臨検監督などで違反が確認された場合には、是正勧告や指導が行われ、改善されない場合などに司法処分へ進む段階があります(労働安全衛生法(昭和47年法律第57号) 第65条・第119条/確認日: 2026-09-05)。

社内の確認表には、結果区分だけでなく、いつ誰が評価記録を確認し、どの部署が改善内容を決め、いつ次回の測定を見直すかを記載します。こうした記録は、区分ごとの対応を機械的に決めるためではなく、改善と評価の経過を確認するためのものです。判断に迷う点は、対象規則の条文と現場の状況を示して確認します。

よくある質問

管理区分は、測定結果を受け取った後の確認順序をつくるためのものです。個別の作業場に必要な措置は、対象物質、工程、既存の記録を踏まえて所管窓口や専門家へ確認してください。

第二管理区分では何をしますか

有機溶剤中毒予防規則では、第二管理区分の場所について、必要な措置に努め、労働者へ周知します。対象となる規則によって確認事項が異なるため、測定記録と評価記録を確認してから対応を決めます(有機溶剤中毒予防規則(昭和47年労働省令第36号) 第28条の4/確認日: 2026-09-05)。

第三管理区分になったら何を確認しますか

改善措置、効果を確認するための測定と評価、改善が難しい場合の作業環境管理専門家への意見聴取や保護具等の措置を確認します。対象規則ごとの条文と、既に行った改善・再評価の記録を一緒に確認します(有機溶剤中毒予防規則(昭和47年労働省令第36号) 第28条の3・第28条の3の2/確認日: 2026-09-05)。

管理区分の数値は記事で確認できますか

個別物質の管理濃度値はこの記事では扱いません。対象物質と測定時点で適用される評価基準を確認し、告示本文と所管窓口で確認してください(有機溶剤中毒予防規則(昭和47年労働省令第36号) 第28条の2/確認日: 2026-09-05)。

まとめ

管理区分は、作業環境測定の結果を評価した後に、次の確認を整理するための区分です。第二管理区分では対象規則ごとの改善・周知を確認し、第三管理区分では改善、効果確認、専門家への意見聴取、保護具などの手順を確認します。結果、評価、改善、次回測定を一つの記録の流れとして管理してください。

出典

著者・監修

依田尚人YDAIコンサルティング株式会社 代表

依田尚人は YDAIコンサルティング株式会社 代表。作業環境測定・特殊健診の義務の対象と方式別の費用実勢について、e-Gov・厚生労働省・都道府県労働局の登録簿等の公開情報を一次ソースまで確認する工程を標準として、本サイトの記事を設計・監修しています。

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