法令・制度解説

第一種・第二種作業環境測定士の違い|できる業務を整理

依
依田尚人

著者・監修 ・ YDAIコンサルティング株式会社 代表

8分
目次

第一種・第二種作業環境測定士の違いは、指定作業場で行う業務のうち分析を含む範囲にあり、依頼前には対象作業場と測定目的を分けて確認することが重要です。資格名だけで対応可否を決めると、必要な業務範囲とのずれを見落とすおそれがあります。

測定を依頼する側は、測定の対象、分析の有無、委託する業務の範囲を整理して伝えることで、確認を進めやすくなります。号番号を引用する場合は、現行版と2026年10月1日施行時点版で位置が変わる点にも注意が必要です。

第一種と第二種の違い

資格区分は、依頼する測定の内容を整理するための入口です。指定作業場の種類と測定内容を確認してから、必要な業務範囲を照合します。

2026年10月1日施行時点の作業環境測定法第2条では、作業環境測定士は第5号、第一種は第6号、第二種は第7号に定義されます。現行版ではそれぞれ第4号から第6号であり、号番号を書く場合は版の別を併記します(作業環境測定法第2条/2026-10-01施行時点版・改正法公布2025-05-14/確認日2026-09-05)。

第一種と第二種の業務範囲を整理するガスクロマトグラフ
第一種と第二種の業務範囲を整理するガスクロマトグラフ

2026年10月1日施行時点の区分

2026年10月1日施行時点版では、第一種作業環境測定士は指定作業場の業務に加えて分析を行える者、第二種作業環境測定士は省令で定める機器を用いる分析を除く業務を行う者として定義されています。

第一種・第二種の区分を説明する資料では、改正前後の制度を一枚に混ぜず、確認した条文の版と施行時点を見出しに明記します。資格名称が似ていても、依頼時に前提とする時点が異なれば、確認事項を分けます。

第一種は分析(解析を含む)を行える定義であり、第二種は厚生労働省令で定める機器を用いて行う分析の業務を除く作業環境測定の業務を行う定義です。

できる業務の早見表

区分の違いは、測定を構成する業務のどこまでを担うかにあります。依頼内容に分析が含まれるかを、測定方法とともに確認します。

依頼する業務は、現場で必要な作業を「測定」「分析」「結果の整理」のように分解して書き出します。資格名だけで対応可否を推測せず、依頼先が担う範囲と必要な資格・登録の確認先を切り分けます。

区分2026年10月1日施行時点版の位置づけ確認する内容
第一種作業環境測定士分析を含む作業環境測定の業務分析・解析を含むか
第二種作業環境測定士省令で定める機器による分析を除く業務測定方法と業務範囲
作業環境測定機関他人の求めに応じ測定を業とする登録機関委託する業務の範囲

この表は作業環境測定法第2条の定義を整理したものです。個別の依頼可否は、指定作業場の範囲と測定内容を確認して判断します(2026-10-01施行時点版/確認日2026-09-05)。

分析を含む測定内容を確認する固体捕集管
分析を含む測定内容を確認する固体捕集管

依頼前に確認する範囲

依頼前の確認は、資格を先に選ぶ作業ではなく、対象作業場と必要な測定内容を整理する作業です。工程の説明を短くまとめ、分析の要否を確認できる資料を準備します。

指定作業場と測定の目的を確認する

指定作業場について測定を行う場合、事業者は使用する作業環境測定士に実施させる必要があります。指定作業場の範囲は作業環境測定法施行令第1条と関係規定で確認します。

指定作業場かを確認する段階では、作業場の名称だけでなく、対象物質、作業内容、屋内外の別、設備の配置を資料に残します。測定の目的と対象の条件を対応させれば、依頼内容を具体化しやすくなります。

分析を含む業務かを確認する

分析を含む業務かどうかは、測定対象、採取方法、解析を含むかという情報をそろえて確認します。単に測定機器の名称だけで分類しないことが必要です。

分析を伴う可能性がある場合は、採取から分析までの担当範囲と、試料の引渡し方法を先に確認します。測定当日の役割と後工程の役割を同じ「測定業務」として曖昧にせず、必要な体制を依頼先へ尋ねます。

指定作業場の条件を確認する測定点の三脚
指定作業場の条件を確認する測定点の三脚

号番号を確認するときの注意

改正で定義規定の号番号が変わる場合、同じ号番号を見ても指す内容が異なることがあります。法令名だけでなく、どの施行時点版を確認したかを示すことで混乱を避けられます。

現行版と2026年10月1日施行時点版を分ける

現行版では作業環境測定士が第4号、第一種が第5号、第二種が第6号です。2026年10月1日施行時点版では個人ばく露測定の新設により、それぞれが1号ずつ繰り下がります。

資格名だけで依頼可否を決めない

依頼可否の確認では、資格名とともに対象作業場、測定目的、分析の有無を並べます。登録を受けた作業環境測定機関へ委託する場合も、依頼範囲を具体的に伝えることが必要です。

社内で確認する担当者には、資格の区分を判断する役割と、現場条件を説明する役割があります。照会した内容、回答日、参照した資料を残しておくと、担当交代後も同じ前提で手配の可否を見直せます。

依頼範囲を共有する個人サンプラー
依頼範囲を共有する個人サンプラー

区分の確認は、測定を実施する人の名称を比べるためではなく、依頼する業務の範囲を具体化するために行います。作業場、工程、測定目的、分析の有無をそろえると、依頼時の説明が明確になります。

資格区分と測定目的を整理するサンプリングポンプ
資格区分と測定目的を整理するサンプリングポンプ

整理した測定士の区分、実施する業務、委託を含む実施体制は、一つの資料に集めるだけでなく、いつ確認した情報かを分けて記録します。制度上の区分と実際の役割分担を対応させると、過去の資料を参照する際にも、どの前提で確認した内容かを追いやすくなります。確認済みの事実と確認中の事項を同じ結論として扱わず、必要な資料や確認先を明確にします。

関連する確認手順は、第三管理区分の措置の解説も参照できます。

依頼内容を資格確認につなぐ

資格区分を確認する資料には、確認対象となる制度の版、施行時点、参照した条文を記載します。古い説明資料と現在の案内を同じ結論に使わず、どの時点の業務を依頼するのかを先に決めることが、照会の行き違いを防ぎます。

依頼する作業は、現場での測定、試料の取扱い、分析、結果の整理といった工程に分けます。社内で必要としている支援と、依頼先が対応する範囲を並べて確認すれば、資格名だけでは見えない確認事項を明らかにできます。

照会文には、対象作業場、使用物質、工程、希望する成果物、確認したい時点を含めます。必要な資格や登録を依頼先へ尋ねる際は、質問と回答を記録し、口頭説明だけで可否を決めないようにします。

制度の説明は一般的な整理にとどめ、個別の業務を誰が実施できるかは、当該時点の根拠と依頼内容を照合して確認します。判断に使った資料の版と確認日を残しておくと、制度変更後にも前提を見直せます。

依頼内容を確定する前には、現場説明に使う資料と資格・登録の確認に使う資料を分け、情報が不足する点を明示します。確認済みの範囲と照会中の範囲を同じ回答として扱わないことで、依頼後に前提が変わった場合にも、どこを見直すべきかを共有できます。

まとめ

第一種・第二種の違いは、測定業務に分析を含めるかという定義上の範囲にあります。依頼前には、指定作業場、測定目的、分析の有無を分けて整理し、参照する法令の版も確認します(作業環境測定法第2条・第3条/2026-10-01施行時点版/確認日2026-09-05)。

個人ばく露測定の資格、個人ばく露測定、法令・制度解説、記事一覧も、関連する確認事項の整理に利用できます。

よくある質問

Q. 第一種ならすべての測定を行えますか?
第一種作業環境測定士は分析を含む業務を行える定義ですが、対象作業場、登録区分、測定内容を確認する必要があります。資格名だけで対応範囲を決めず、作業環境測定法第2条・第3条と依頼内容を照合します(2026-10-01施行時点版/確認日2026-09-05)。
Q. 第二種ではどのような業務を確認しますか?
第二種作業環境測定士は、厚生労働省令で定める機器を用いる分析の業務を除く作業環境測定の業務を行う者として定義されています。依頼時には測定、サンプリング、分析の範囲を分けて確認します(作業環境測定法第2条第7号/2026-10-01施行時点版/確認日2026-09-05)。
Q. 条番号はいつの版を見ればよいですか?
現行の事実を確認する場合は現行版を参照し、2026年10月1日以降の定義を説明する場合は施行時点版を参照します。同じ号番号でも内容が変わるため、法令名、施行時点、確認日を一緒に記録します。

出典

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